野菜を食べるとガンになる！？

野菜や果物を食するのは、体にいい。

一般的には、これは当たり前のこととされます。


まず、題名で驚いたかもしれないので、

語弊がないように言っておきますと、

大枠で言うと、私もこの野菜と果物が体にいいのは、ほぼ間違いないと思います。



ビタミンやミネラルの摂取は、

人間の生活に、必ず必要な行いなわけで、

様々な病を予防するのと同時に、老化を防ぎ、美容をも保ちます。


煙草を吸わない方の場合、

あらゆる方法で体内に摂りれる事で、

この恩恵は、実力を遺憾なく発揮され、

ガンの予防にすら効力があるというのは、

みんさんも、どこかで耳にしたことがあるでしょう。



なぜなら、毎日の人間の生命活動の中では、

常に、活性酸素やフリーラジカル（酸素ラジカル）という毒素が、

生み出されます。


人は無意識に、呼吸、日光浴、食事などから、

常に必要なエネルギーを作り出しているわけですが、

その中で、使われずに余ったエネルギーが、活性酸素となり、

はたまた、その活性酸素が、脳梗塞の原因となるいわれる、

フリーラジカルを生み出すそうです。



ちなみに、活性酸素とは、

・スーパーオキシドアニオンラジカル(通称スーパーオキシド)

・ヒドロキシルラジカル、

・過酸化水素、

・一重項酸素

の４種類を指す総称で、


金属のサビと同じく例えられるように、

文字通り、体の細胞をサビつかせ、老化や病の原因となるわけです。


そして、その中の代表的な病の１つが、

ガンという病なわけです。



そんなことから、私たちの体内では常々、

不要となった活性酸素を分解して、消去する活動が行われています。


その活動を一般的に『抗酸化作用』といい、

その活動のガソリンとなるのが、

ビタミンとミネラルという考え方が分かり易いでしょうか。


つまり、通常は、野菜や果物の摂取は体によく、

ガンや脳梗塞などの予防となるということです。




そして、ご存知の通り、

喫煙者は、非喫煙者より、発がんや脳梗塞の確率が高いと言われます。


これは喫煙者が、たばこを吸う度に、

ニコチンの他、様々な有害物質を体に摂り入れ、

更には活性酸素を発生させることが原因とされます。


つまりは、喫煙で生じた、それらの有害な体内の変化を浄化するために、

ビタミンやミネラルを総動員。


余剰のエネルギーとして生まれた、

本来の活性酸素の対応に回すことが出来なくなり、


結果として、このことが、

ガンはじめとする病、

老化などに拍車をかけてしまうわけです。



さて、どうですか？

すると、ここまで聞いて、何か不思議に思いませんか？


この理屈からすると、

やはり、喫煙者こそ、野菜や果物から、

より多くのビタミン、ミネラルを摂った方がよいということになります。


現実、それを推奨する禁煙サポーターの方もいらっしゃいます。



しかし驚くことに、あるビタミンに限っては、

ひょっとしたら、喫煙者が積極的に摂取すると、

ある特定の部位についてのガンの確率を上げてしまうかもしれない。


という研究やデータが、各地で確認されているそうです。


ちなみに、そのビタミンの種類はビタミンＡ、

その素となるβカロチンと言われる物質です。



そもそもカロチンには、

αカロチン、βカロチン、γカロチンの３種類が存在し、

全てのカロテンの素が、βカロテンだと言われています。


このβカロテンは、腸などで吸収される時に、

２分子化され、ビタミンＡに変化します。


ビタミンＡは、抗酸化作用を持つとされ、

近年では、ガンの予防に有効と見られていたのですが、

世界各所でとられたデータは、それを覆すものとなり、


総合すると、肺がんと結腸直腸種の発生確率を、

上げてしまうことがあるのが分かったそうです。



実験データは、

フィンランド、中国、アメリカなどの臨床的な調査が有名で、


１９９３年の中国・河南省での約３万人のデータでは、

βカロチン１５mg・ＶＥ３０mg・セレン５０μgを毎日、投与したところ、

全部のガンで１３％発生率が低下、胃ガンでは２１％が低下。


しかし、フィンランドの喫煙者男性、約３万人に行ったものでは、

βカロテン２０mg・ＶＥ５０mgを毎日投与したところ、

肺ガンになる確率が約１８％上昇。


アメリカの国立がん研究所も、

『煙草とβカロテンを含むサプリメントを１日２０mg以上、

併用すると、かえって肺がんの確率を上げる恐れがある』

という趣旨のメッセージを発しています。



そして、レバノン共和国のダートマス大学のバロン教授などによる、

『抗酸化薬ポリープ予防研究』でも、

同様のデータが確認されているのですが、


同教授によれば、自身の研究を含む、多くのデータは、

あくまで、人工のサプリメントを投与した場合のデータであり、

天然の野菜などに含まれる、βカロテンでは確認さていないとし、

喫煙者が、天然の野菜摂取を控える必要はないという趣旨の発言をしてます。



つまりは、まとめると、

適量は定かではないが、喫煙者がサプリメントにより、

βカロテンを多量に摂取すると、

ガンの発生率が上がる可能性がある。


ということになります。

なんとも、少し複雑な話です。



しかし、前述した通り、本来、

βカロテンは、人間にとって必要な物質で、

健康や美容を保つのには、不可欠なわけです。


こんなことから、


βカロテン＋煙草が、ガンの確率を上げるからと言って、

野菜を食べるのを控えるのでは、本末転倒。


やはり、ここは、

煙草を止める方を選ぶことを、心よりおすすめするわけです。


禁煙を成功させて、更にβカロテンを活躍させ、

是非とも、健康と若さを保ちたいものです。



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