節煙か断煙か、それが問題だ

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節煙か断煙か、それが問題だ

2011/10/29(土)

暗闇にコツコツと時計が時を刻む音。

時計は午前０時をさしている―

何だか、眠れない…

僕はベットから身を起こし、

節煙から断煙までの緻密な計画をもう一度、確認した。

「まず明日は１０本にして…

　来週までには１日５本。

　そんでもって、今月中には０本。禁煙完了!って感じかな…

　完璧だろ！軽いな！」

とテーブル上のマールボロライトの箱に視線をやる。

「………」

大きなため息が、思わず口から漏れる。

「まぁ…今日までは、ＯＫということで！」

と、僕はおもむろにタバコを口にくわえ、

去年、彼女から誕生日にもらったジッポライターに火を点けた。

　　

みなさんは、この話の主人公と似たような経験はありませんか？

ちなみに、こちらは私の経験に基づいて走り書きした、

ミニミニ小説です。

おそらく、このブログを読んでいる方は、

禁煙をめざしている。

もしくは、家族など親しい誰かに禁煙をさえたい。

という方もいらっしゃるでしょうか？

では、質問です。

はたして、この物語の主人公は計画通り、

禁煙に成功することが出来たでしょうか？

みなさんはどう思いますか？

おそらく、主人公や私と同じような経験をもつ方は、

主人公である僕は、禁煙に失敗しただろうなぁ、

と思うことでしょう。

たいがい、禁煙をしようと思う人は、まず節煙を考えます。

何故ならそれは、いきなりの断煙は、

自分にとって難しいと考えるからでしょう。

しかし、実際のところ、

節煙から禁煙を成功させる、というのは、

断煙から禁煙を成功させるより、

はるかに難しいのです。

普通に考えれば、

本数を減らすことで、１日あたりのニコチン摂取量が日々減少し、

それに伴い、タバコ（ニコチン）への依存度も減少。

そこから、禁煙した方が楽だと考えます。

しかし、人間という生き物は、

おそろしく上手く出来ていて、

例えば、１日のたばこが、１０本から５本に減ったとしても、

無意識にその５本を、２倍近く深く吸い込んでしまうそうです。

つまり大多数の人は、無意識に足りないニコチンを補充してしまうのです。

「人間て凄いね～」

とか感心してる場合ではありませんよ。（笑）

ちなみにこれは、たばこを軽くした時（例えば５ｍｇ→１ｍｇなど）も、

同じことが起こるそうです。

タバコを軽くしたら、かえって本数が増えた。

なんて経験はありませんか？

更に言えば、そういった肉体的な理由もそうなんですが、

実は、節煙から禁煙という方法を最も難しくさせるのは、

モジベーションの問題です。

話の主人公のように、禁煙計画をたてている時は、

誰もが、本気で禁煙しようと思っているわけですが、

日々生きていて、同じ精神状態を保つのって、大変難しいものです。

たいがい数日もすると、感情や状況に変化が起こり、

モジベーションや集中力は低下します。

そこに、ニコチンへの依存度が変わっていないという、

先程の事実が加わると…

結果的に、かなり高い確率で禁煙失敗。

となってしまうわけです。

もちろん、それに負けない精神力の持ち主もいるでしょうが、

敵は依存性の強いタバコです。

正直、手強いわけです。

ですから、もし本気で禁煙をお考えなら、

節煙からの禁煙ではなく、

腹をくくって、いきなり断煙からはじめることを強くオススメします。

鉄は熱いうちに打て！というわけです。

辛いのは百も承知です。

しかし、禁煙でもっとも禁断症状が辛いのは、

最初の３～５日です。

ここをどうにか乗り切れば、あとは楽だと考えてください。