伝統療法の香りを禁煙に？！

芳香剤やオーデコロン、お風呂の入浴剤。

私たちの生活の中には、香りを楽しむという習慣は、

わりと深く根付いていますよね。


しかし、これが医療や薬という風に考えた場合、

一部、心療内科などは治療法として取り入れていたりしますが、

まだまだ根拠に乏しいとする考えが一般的なようです。



ちなみに、ＷＨＯ（世界保健機構）においては、

『アロマテラピー（アロマセラピー）』は、

伝統医療（traditional therapy）と分類。


確立は１９２０年に、フランスの調香師ガットフォッセが、

ヨーロッパで古くから伝わる『精油を使って病気を治す技術』を

民間療法の１つと定義付けたことを始まりとしています。



民間医療とは各地域で伝承されている治療法のことで、

例えば、風邪をひいた時の『たまご酒』や『しょうが湯』、

韓国の『よもぎ蒸し』などがそれにあたり、


かなり有効なものから、あまり効果がないものまで、

実に幅広いものが存在すると言われています。



そして主に、昔からこれらの民間療法を伝承してきたのは、

医師ではなく、僧侶や巫女など。

『アロマテラピー』に関しても調香師が伝承していきたという経緯から、

西洋医学の中では、軽視される傾向があるようです。



まぁでも、個人的には冒頭で挙げた、

洗濯やカレーの匂いのように、その香りを嗅ぐと気分の高揚や、

空腹感を意識したりするので、匂いは何らかの効果あるのではないか？

と思うのですが、みんさんはいかがでしょうか？


少なくとも気分に対して効果が認められるなら、

禁煙時も有効な気がしますよね。



おそらく、効果があると言い切れるかどうかの判断は、

匂いによる反応が、条件反射、思いこみから生まれる　

プラシーボ効果か否か。。。ということなのでしょうが、

やはり、これについては世界各所で研究が行われているようです。



その中でも興味深いのが、

日本禁煙科学会の学会誌『禁煙科学・第６巻』に掲載された、

畿央大学健康科学部の東山明子教授と、

奈良女子大学健管理センターの高橋裕子医師がまとめた、

『アロマの心理的効果における喫煙者と非喫煙者の違いの検討』

という研究報告です。



この研究では、

健常な喫煙者男子大学生１４名、非喫煙者男子大学生１４名を対象に、

アロマの有無によって気分状態・不安・積極性・注意力・集中力が

どう変化するかの各種テストを実地。

その結果を観察したそうです。



結果を端的にうと、

やはり、喫煙者と非喫煙者双方において、

気分状態・積極性においては、アロマによる向上が見られ、


集中力や計算作業では、非喫煙者に比べて、

喫煙者がアロマのある状態で作業すると、

明らかに誤答が減少する傾向が見られたそうです。



このことから、東山教授と高橋医師は、

アロマは、煙者や非喫煙者の違いに関わらず、

心理的状態改善効果があることが推察され、

更に、集中力については特に喫煙者で改善向上効果が目立つ、

と結論づけたようです。


このテストは、喫煙者は２時間ほど喫煙出来ない状態で行っていることからも、

喫煙者の状態は、禁煙時のイライラ状態と似ていると言う事が出来、

禁煙時のアロマの有効性を確認することが出来ます。




もちろん、まだ研究が小規模ですし、

効果に個人差があるのでしょうが、


現在、禁煙補助薬として使われているニコチンパッチやガムが、

成分にニコチを含むことから、弱冠の毒性や中毒性が懸念されるので、

アロマテラピ─はその代替療法としても、有効な可能性もあるわけです。



そして、他にもアロマは、

抑うつや認知症の改善、抗けいれん作用にも効果があったと言う、

報告もあがっていますが、


逆に、副作用によってアレルギーを引き起こすという事例も幾つかあり、

特に乳幼児への影響に関しては、注意が必要なようです。




そして、巷には『禁煙アロマ』という言葉も存在するようなので、

一般的に、禁煙時に良いとされる精油をご紹介と思いましたが、

また長くなりそうです。


それは、また次回のレポートとしたいと思います。


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