ニコチンのままではガンにならない

『煙草』と『ガン』という病は、

大変、関連が深いとされているので、

『ニコチン自体に発がん性がない』

なんて聞かされると、何だか狐に抓まれたような気になります。




ニコチンは以前もお話ししましたが、

あの青酸カリの倍以上の致死量を誇る猛毒。


そして、人間はそれをも肝臓で摂取した９割を代謝し、

１割ほどしか、ニコチンのまま体外に排泄しません。


大部分は『コチニン』という物質に変化するのですが、

その中途過程で生成されるのが、

どうやら『ニトロソアミン』という物質なのだそうです。



『ニトロソアミン』。。。聞いたことがありますか？




三省堂・大辞林によれば『ニトロソアミン』とは、

基 =N-NO をもつ有機化合物の総称。

黄色油状液体または固体で、発癌性をもつものが多く、

ゴキブリ用の殺虫剤などにも使われたりします。



しかし、人工の物質というわけではなく、

ごく少量、自然界の飲食物にも含まれており、

多くは食べ合わせによって、体内で生成されたりします。


例えばば『ハムやソーセージとレタス』。

『紅茶とレモン』。『焼き魚と醤油』。

これらが体内で代謝される際の化学反応。


または、ジャガイモを焦がし過ぎた場合も、

『ニトロソアミン』が生成されると言います。



しかし、その中でも

特に煙草に含まれるニコチンから発生する『ニトロソアミン』を、

『N-ニトロソノルニコチン（N-Nitrosonornicotine、略称: NNN）』

と呼んでいます。


煙草由来の『ニトロソアミン』ということですね。



NNNは、多くの動物実験において、ガンを引き起こすことは、

十分に証明されており、食べ合わせなどの反応ではなく、

単体の紙たばこや嗅ぎたばこを含む、喫煙という行いから、

代謝により必ず発生するというのも大きな特徴となっています。



そして、ジャガイモを焦がすと発生することから分かるように、

火を使う煙草（紙巻き、葉巻）の主流煙、副流煙にも含まれます。



厚労省もホームページで、

『紙巻たばこ煙有害物質の主流煙と副流煙中の含有量』として、

ジメチルニトロソアミン、メチルエチルニトロソアミン、

ジエチルニトロソアミン、N-ニトロソノルニコチン、

4-(N-メチル-N-ニトロソアミノ)-1-(3-ピリジル)-1-ブタノン

ニトロソピロリジンなどの測定データを公開しています。




また、国立公衆衛生院地域環境衛生学部、

松下秀鶴氏らの研究グル─プが、

２０１１年に大気汚染学会誌に公開した研究では、


国産、 外国産タバコ各々１５銘柄の副流煙に含まれる

N-ニトロソアミンの数値を測定したところ、

銘柄によってかなり値が異なることを確認したそうです。


中でも、中国産たばこの含量はかなり低く、逆にアメリカ産たばこの

N-ニトロソアミンは含量はかなり多かったそうです。



出来れば、全ての銘柄において、こういったデータは、

製造元がきちんと測定しておいて欲しいものですが、

ＪＴは把握しているのでしょうか。




そして、このN-ニトロソアミンが更に危険といわれるのが、

煙に乗って拡散し、室内の床や壁、天井などに残留することだそうです。


いわゆる『三次喫煙』というやつです。



アメリカ、カリフォルニア大学が、

２０１４年に、『Plos ONE誌』で報告した研究では、


煙草の煙に『コットンのクロス』と『ポリエステルのフリース』を曝し、

１６か月の期間を置き、それぞれのニコチン、ニトロソアミンの含有量を

測定したそうです。


この結果、『コットンのクロス』は『ポリエステルのフリース』と比較して、

ニコチンで約４１倍、ニトロソアミンで約７８倍という結果となり、


これらの化学物質のヒトへの影響を推定したところ、

受動喫煙と比較てし、３次喫煙では

・ニコチン：子供の場合＝６．８倍以上、成人の場合＝２４倍、

・ニトロソアミン：子供の場合＝１６、成人の場合＝５６倍

の影響が出ると推測出来るとしたそうです。



目に見えないので、あまりピンとは来ませんが、

喫煙がかなりの悪影響を及ぼしていることは分かりますよね。




もちろん、前述した通りニトロソアミンは、

タバコ以外でも自然界に存在はします。

しかしこうなるとやはり、タバコのない環境であれば、喫煙者当人はおろか、

周囲の健康リスクも大きく軽減出来るのではないでしょうか。



ちなみに、ニコチンパッチ、ガムなどのニコチン製剤でも、

ニトロソアミンの生成は確認されているようですが、

こちらも持続的に喫煙を続けるよりは、遥かに安全性は高いと言われています。



さて、少し難しいお話でしたが、こんな情報も

喫煙を続けるか、禁煙に踏み出すのか

の判断材料になればと思います。

いかがお感じになったでしょう？



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