意外ですか？リウマチと煙草の因果関係

リウマチ対策には、まず禁煙。

これ何故かというと、そのものズバリ、


１、発症率を高め。

２、薬の効果を大きく弱め治療の妨げとなり。

３、感染症などの合併症の危険が増し、

悪化させると最悪の場合、死に至るからです。



喫煙と言えば、ＣＯＰＤなどの気管支の病。

血の巡りが悪くなる虚血性疾患。

更には癌などが有名なので、関節の病である「関節リウマチ」との関係が、

密接であるのは、とても意外な気がします。



みなさんはそんな風に感じませんか？


しかし、これは専門医の間ではむしろ一般的な知識。

中には、喫煙者であっては治療しても意味がないという理由で、

『リウマチの診療』を断る医院まで存在するのだそうです。




さてでは、そもそも『関節リウマチ』とは一体、どんな病なのでしょう。


『関節リウマチ』は膠原病のひとつで、

炎症性自己免疫疾患。


簡潔言うと、手足の関節の中にある滑膜という部分に炎症が起こり、

痛み・腫れ・変形を起こす病気です。


本来、体に侵入したウイルスなどを退治するための自己免疫機能が異常をきたし、

主に手足の関節部を攻撃して、骨や軟骨を破壊。

次第に体を動かし難い症状が表れます。


想像すると、とても恐ろしい病気ですよね。



更に、関節の痛みに他にも、発熱、貧血、食欲減退。

または、脊椎、血管、心臓、肺、皮膚、筋肉などにも

不調が生じることもあるのだそうです。




発症の要因の６０％は遺伝とされますが、

その上で後天的にその発症を大きく強める要因として、

・喫煙

・胃腸・大腸の腸内細菌ウイルス

・歯周病

の三つが挙げられるそうです。



このうち喫煙に注目すると、世界各地で研究報告がなされており、


２０１０年に行われた医療大国スウェーデンで行われたコンホート研究では、

喫煙者の『関節リウマチ』発症リスクは１．６８倍。



２０１２年にデンマークで双子を対象に行われたコンホート研究では、

喫煙者の『関節リウマチ』発症リスクは、単生児と変わらず２倍。



我が国、日本でも厚生労働省が10,000例にもおよぶ全国規模の調査を行った結果、

喫煙と関節リウマチの関連が明らかにし、


更に、道後温泉病院の奥田恭章医院長は、

１日２０本以上２０年以上吸うと吸わない人と較べてリウマチ発症は約２倍。

４０年以上吸うと約１４倍にも跳ね上がるという研究があると報告しています。



そして、現在はメトトレキサート（リウマトレックスＲ） や

生物学的製剤などの良い薬が開発され、早期発見して治療を開始すれば、

かなり進行を遅らせることが出来るそうですが、


煙草はこの薬効をかなり減らしてしまい、

場合によっては毒性が強くなり、

肺炎など感染症のリスク・死亡率を上げ、


更に、リウマチ因子高値やリウマチ結節の増加を促進。

関節の破壊が進行し、症状を悪化させるという報告もあるそうです。



煙草単体でも、歯周病、骨粗鬆症・副鼻腔炎・慢性気管支炎・気管支拡張症・

慢性扁桃炎などの病が発症することが知られますが、これらも発症に関与。


関節リウマチの罹患者の２～３割程度が、間質性肺炎を併発するとされ、


そして、ここに煙草病とされる肺気腫（ＣＯＰＤ）が加わった場合などは、

かなり深刻で、免疫力の低下した状態で風邪をはじめ

肺炎、気管支炎、皮膚化膿性疾患、インフルエンザなどの感染症にかかると、

それこそ致命傷になりかねないことになります。



今のところ、禁煙のみでリウマチの改善が見られるかは不明ですが、

発症を抑制出来るのはおおよそ確実で、

治療においても有効であることは、科学的に証明されているようです。



喫煙をすると必ずしも『関節リウマチ』になるわけではないですが、

間接的に手足の関節を破壊する可能性はあるということですね。


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