喫煙は精子の質・量が悪化で妊活にも赤信号

妊活と言えば、おおよそ十月十日の間、

その大事な大事な命を体内に宿すことから、

どうしても男性よりも女性が行うイメージがあったりします。



妊娠準備のための禁煙も胎児に直接ダメージを与えることから、

やはり、どちらかというと男性よりも女性の方が、

口うるさく言われて来たような気がしますよね。



しかし、色々な研究が進むにつれ、

妊活における煙草の影響は女性のみならず男性にも強く表れ、

男性の喫煙も妊娠する確率が低下する

ということが分かって来ました。

やはりと言った感じです。


喫煙により男性ホルモンの分泌は確実に上昇するのですが、

何だか不思議な話ですよね。


喫煙は体に酸化させることで有名ですが、

実はこの酸化によるストレスに精子は非常に弱いそうで、

これがどうやら生殖能力の低下に繋がるのだそうです。




詳しくお話しするとその理由はおおよそ５つ。



１、『喫煙者は精子の数が非喫煙者に比べて精子数が少ない』


米・ノースキャロライナ大学Marilyn Vine教授らの研究では、

約１５～２４％精子数が少ないと報告。


また、欧州泌尿器科学会誌「European urology」に掲載された

米・セントジョセフ大学の研究チームの報告では、

精子に関する過去の２０の論文を分析し、計５８６５人の精子を比較。


１mlの精液中に含まれる精子数が喫煙者は非喫煙者に比べて、

平均で９７２万個少ない事が判明。

トータルでも約１～２割少なくノースキャロライナ大学の研究と、

ほぼ同じ結果となったそうです。




２、『精子に奇形が発生し受精能力が著しく低下する』


こちらは写真などで確認すると一目瞭然なんですが、

活性酸素の影響で、通常より頭が小さい奇形の精子の発生が増えます。


アメリカ生殖医学会では、

１日４本以上タバコを２年以上、平均で１５年の喫煙歴をもつ者を調査した所、

受精可能な正常な精子は非喫煙者の４分の１しか確認出来なかったそうです。



また先ほどの米・セントジョセフ大学の研究チームの報告でも、

喫煙者は非喫煙者に比べ精子の運動率が３．４８％低下。

精子の正常形態率が１．３７％低下というデータを示しています。




３、『精子のＤＮＡを損傷する』


スペイン・バルセロナ大学の研究チームによれば、

喫煙は運動能力の高い精子のＤＮＡを損傷すると報告。


もちろん、喫煙者のＤＮＡが損傷した精子が胎児に必ず先天異常を引き起こす

というわけでもありませんが、その潜在的なリスクは計り知れません。




４、『体外受精においても受精率が低下する』


医学誌「ヒューマン・リプロダクション」に掲載された

カナダ・マクマスター大学の研究チームの報告によると、

夫婦のどちらか一方が喫煙者の場合でも、双方が非喫煙者である場合に比べ、

約半分に体外受精による妊娠確率が低下するそうです。


具体的な体外受精成功率は、

双方が非喫煙者の場合。。。４８％

女性が喫煙者の場合。。。１９％

男性が喫煙者の場合。。。２０％


明確な差のある数字ですよね。




５、『ＥＤ（勃起不全）のリスクが高くなる』


こちらは精子とは関係ありませんが、良く言われていることですよね。

ニコチンの作用で血管が収縮。血流を阻害することからＥＤになるとされます。


『Tobacco Control』という雑誌に掲載された

オーストラリアのシドニーの研究チームの報告によれば、

１日の２０本以上喫煙する男性は非喫煙者に比べ、

ＥＤを発症するリスクが４０％（１．３９倍）高いそうです。


こちらも不妊の一つの要因と言っても遜色はないでしょうか。




そして、更にこれらの研究の説得力が増すのが、

タバコ会社であるアメリカ・フィリップモリス社が、

バッファロー大学に研究チームに資金提供をして行った研究。

こちら小規模な研究ながら喫煙者の精子の受精能力低下。

またはＤＮＡの損傷を認めており、

ここからも一連の報告が嫌煙者による偏った物ではないことが分かるはずです。



つまり、妊活における禁煙は女性のみならず夫婦揃って。

ということが言えるわけです。


子宝を望むのであれば、夫婦で禁煙を頑張りましょう。


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